フラメンコの代表的な曲からめずらしいものまで多数ご紹介します!
曲に込められた意味を自分に取り入れて踊り、唄いたいものですよね。
みなさん初めての曲がレッスンでスタートしたときには、「ん〜・・・よくわかんない」って感情に駆られませんか?
その曲は、スペインのどの地方で生まれたものか、また曲調や込められた感情を知ることによって、フラメンコエッセンスがまたひとつ加わるかも♪
フラメンコの曲は、だいたい70種類くらいあるといわれており、音符も拍子も、近代の楽譜で表すのは難しく、その分類も不可能と言われています。
フラメンコの曲の種類は、リズムとメロデイの特色で区別されています。
フラメンコをやっている人の軸である「コンパス」。
コンパスという暗黙の了解があり、三位一体(カンテ、ギター、バイレ)となれるのです。
即興でも踊れるのはそういうわけなのですね。
コンパスは非常に繊細で、頭ではわかっていても、身体に浸透させるのは・・・ (-_-;
でも、たくさんのカンテを聞き、理解し、即興でもカッコよく踊れるようになりたいですね!



 

3拍子系 。名前の由来は、ALEGRIA(喜び)からきているといわれている。スペイン南部の港町カディスやコルドバのアレグリアスが代表的なもの。コルドバには、カディスの古いホタ(スペイン舞踊)につながる珍しいものもある。
美しいメロディーで曲調も明るく、シレンシオという静かな部分があるのが特徴。
赤いバタ・デ・コーラで踊るのは一流の舞踊家の証しとされている。


 

3拍子系 。カディス県に生まれた曲。
カラコレスとはかたつむりのことで、かたつむり売りの売り声からこの名がついたといわれている。独自の曲調を持ち、歌詞は長い物語になっている。
扇(アバニコ)やマントンがよく使われる。


 
 

6/8拍子と3/4拍子の混合リズム。南米キューバの民謡から影響を受けて生まれた陽気な恋の唄。
情景としては早朝にカディスの港でタバコをふかしている・・・そんなちょっと粋な女性のイメージ。
道具はアバニコ(扇)が使われ、優雅に扇ぎ、動かしながら踊られる。


 
 
 

3拍子系 。マラガに生まれた最も古い部類に入る唄。ソレアの前身といわれており、厳粛で力強い曲調。マントンを用いて踊られることが多い。
カルメン・アマジャが創作し、踊るようになってから踊りの曲として注目されるようになったといわれている。


 
 

タンゴ系の2拍子。ジプシーのダンス曲であったものに、のちに歌がついた。小粋で陽気な感じの曲でコルドベス(帽子)を用いて踊られ、踊りには、女性的な雰囲気を持つ。
歌の歌詞については単純なものが多いとされている。
 



 

フラメンコの本場セビージャのフェリア(春祭り)で盆踊り的に踊られる曲。民謡が起源で、曲は4番までの構成になっており、1番=出会い、2番=誘惑、3番=喧嘩、4番=仲直りというように男女の恋愛にたとえられている。
明るく楽しい雰囲気の曲が多く、フェリアでは、老若男女が夜通し踊る。セビジャーナスは、自分の持ち味やバリエーションを出せば出すほど、カセタ(祭り会場のテント)が盛り上がりをみせるようだ。パリージョを小道具として使う。



 

格調高く、厳かなソレアと、にぎやかで激しいリズムのブレリア両方の魅力を合わせ持つ曲。
ブレリアス・ポル・ソレアはソレア調のブレリア。
 
 


カディスとセビージャが発祥の地。フラメンコの初期からあった曲で、苦悩や嘆きの唄といわれている。
絶望、憎悪をj重々しく表現する。変則的な5拍子から成っており、沈黙の部分が大切である。緊迫と悲壮な雰囲気が漂う曲。心の極限を表している。


 

アンダルシア地方のもので3拍子系 。「フラメンコの母」と呼ばれる重要な曲。SOLEAはスペイン語で”孤独”という意味。
厳かな感じの曲調で、心の中にある孤独や、深い悲しみ、嘆きのなかに情熱を込めて唄い、踊る。


 
 

グラナダのジプシーたちが歌っていた民謡のひとつで、20世紀はじめにジプシー達がソロンゴを舞踊として踊り始めた。
最初は緩やかに始まり、だんだんと激しさが増していく曲である。
歌はブレリアのテンポで、踊りはブレリアで締めくくることが多い。



 

 

鉱山地域から生まれた曲。人生や愛について歌われる。


 


起源は19世紀初めに古い舞曲から生まれ、カディス周辺で歌い踊られてきたというハレオスからあらゆるテンポのものに形を変えていった。
多くのバリエーションを持つタンゴでよく知られるのは、カディス・トゥリアナ(セビージャ地区)・ヘレス・マラガのもの。
2拍子の強いアクセントをもち、踊りには、粋な感じと重さ・ノリがあるとエッセンスとしてあるといいかも。


 
 



1コンパス2拍子・2小節の4拍子系。
悲恋の内容の歌詞が多く、タンゴに属しているゆっくりした曲である。
20世紀初めに作られ、カディスのタンゴから派生したといわれる比較的新しい曲。
当初はTango Tiento(タンゴ・ティエント)と呼ばれていた。タンゴと同じコンパスだが、テンポが違い、ソレアやシギリージャの色合いが加えられているため哀愁にみち独特の雰囲気がある。
不均一な独特のリズム形態を持っている。

 

 

カディスで生まれ、タンギージョ・デ・カディスとも呼ばれる。歌詞は陽気でおもしろい内容のものとなっており、フェスタで歌われたり、カーニバルで演奏される。本来タンゴよりも速いテンポとされている。愛嬌あふれるリズミカルな振付で踊られれ、コルドベス(帽子)が小道具として使われる。


 
 

マラガ地方のタンゴ。独特のメロディーと節回しが特徴。いくら想っても報われぬ、かなわぬ恋心のような思い・・・のようなムードがある。
哀愁が漂う曲調。

 

 



 

スペイン北部のガリシア地方に起源があり(ファルーコ=ガリシア出身者を呼ぶ呼び方)、タンギージョのコンパスで、スペイン北部の民謡だったものである。
劇場でフラメンコが踊られるようになったときの演目、「オペラ・フラメンカ」によって愛された曲。
コルドベス(帽子)をかぶり、男装で踊られたりする。バストンを使って踊ると、またカッコいい!



 

3拍子系 。ロマ(定住の場をもたず、おもにヨーロッパ各地に散在する漂泊民族)の結婚式で踊られたという祝祭色の強い曲。
名前の由来はBURURA(ブルラ=からかう)という語から呼び名がついたという。
リズム感あふれる力強いコンパスの曲で、踊り手の即興で情熱的に踊られる。個性豊かで、もっとも激しく、正確さが必要。
にぎやかな特色を持ち、スタイルとしてはカディス、ヘレス、セビージャのものがある。
 
 




揺れるようなメロディーが特徴で”ブランコの歌”としても知られているそう。セビージャの民謡であったものが書き直され、現在のバンベーラの姿となった。
初めはファンタンゴ調に合わせて書き直されたのだが、その後、バンベーラのメロディーを重んじながらもソレア・ポル・ブレリア調のものへと変わった。歌詞については「父も母も恋人もいない・・・」といったような、悲しい感じがある。


 


スペインに古くから伝わる民謡。アンダルシア全域にファンダンゴのスタイルがあり、各地で独特のスタイルのファンタンゴをみることができる。
カンテ・フラメンコの母と呼ばれ、ファンタンゴから他の曲のすべてのスタイルが生まれた。

 
 

名前の由来は、カンタオーラの名前からきているといわてれいる。
最も独特な曲のひとつとされており、歌の後半にリズムが早くなるのが特徴。
歌詞が葬儀や埋葬の内容のためジプシーの間では不吉とされ、その名さえ口にしないとか。
不幸を呼ぶという言い伝えがあり、フラメンコアーティストの間でも不吉とされており舞曲として踊る際には、開演前に舞台を浄めることもあるそう。

 

 


マラガに生まれた曲で、ファンダンゴスが変形したものの一つ。


 

クラシコ。マヌエラ・デ・ファリャのオペラ「はかなき人生」の第2幕で踊られる曲。パリージョ(カスタネット)を使う。
踊りの雰囲気からは、華やかで、女性的、そして優雅な感じが受け取れる。


 
 



決まったコンパスはなく、歌はアドリブで歌われるのが特徴。

 


 






変則的な5拍子。
鍛冶屋から生まれた曲でロマ(定住の場をもたず、おもにヨーロッパ各地に散在する漂泊民族)の深い絆の唄である。
無伴奏のスタイルに、鉄に木槌があたる音響が曲に入っており、厳粛で重厚な雰囲気がある。
バストン(杖)を使って踊られたりする。


 
 

民謡がフラメンコ化したもの。
ラテンアメリカから伝わり、いろいろなショーを通し、アンダルシア全域に広まったとされている。
ラテンの明るいノリが魅力で、フィエンデ・フィエスタ(フィナーレ)で踊ると盛り上がる曲のひとつ。

 

 

 
               2007 Flamenco Livre